去る 2019年11月7日 – 10日に東京で CakeFest が開催されました。CakeFest とは CakePHP の国際イベントで、セミナー2日、カンファレンス2日の合計4日間に渡って開催されるイベントです。今回は現地コーディネーターのような役割で関わってきたので、その活動を交えて思い出と共にご紹介します。
CakeFest が日本で開催されるまでの道のり
CakeFest は 2008 年 2 月に開催されたのを皮切りに国際イベントとして原則年に 1 度開催されてきました。過去に何回か日本で開催できないかという話はあったようで、私が参加し始めた 2015 年の NY でも少し話を聞きました。ただ、コミュニティが日本に縁がないとのことでいつも候補から外れているようでした。この時は何も思わなかったのですが、ひょんなことから公式マニュアルを翻訳するようになり、いつの間にか「日本で CakeFest をやりたい!」と思うようになりました。
その後、2016 年の CakeFest at アムステルダムで好き勝手楽しんでいたら、ファウンダーのラリーから「日本で CakeFest の開催の可能性ある?やるなら手伝ってくれる?」と聞かれ、即答で「Everything OK!」のようなことを答えたのを覚えています。そもそもこちらから提案しようと思っていたことだったので、この時はだいぶ興奮して一緒にいた瀬川さん(Railsユーザなのに誘ったら CakeFest に来てくれた)と石黒さん(朝の配信は途中からでしたっけ?)と日本に向けてライブ配信したのを覚えています。
2017 年の CakeFest at NY は前年からもともと決まっており、この時にセントラルパークで岸田さんから日本で開催する場合の難しいポイントを色々伺いました。渡航費用がヨーロッパ・アメリカ開催に比べて一気に高くなるとかゲストスピーカーの招待費用が高額になるとか、そもそも日本はアフリカから来づらいとか、ハードルの高さを感じました。ただ、コアコミッターに日本人が加わったし大丈夫でしょう!という訳のわからない話をした記憶があります。
その後、何回かラリーやミーガン(コミュニティマネージャー)とコミュニケーションをとる機会があり、ポイントは「日本食」だ、と勝手に予想してご飯の画像を彼らに送っていたのを覚えています。そんなこんなで時間が過ぎて、2019 年の開催地を決める投票にてついに東京の名前が挙がり、「食は世界に通じる」と勝手に結論づけました。まあ、本当はおそらく色んな要因があって候補に加わったと思いますが、多少の助けになったのではと感じております。
皆様にお伝えしたいことですが、国境を超えた相手とコミュニケーションを取る場合は分かりやすいことが重要かと思います。写真は言葉が不要な情報源なので、ぜひご利用されてみてはいかがでしょうか。
CakeFest スポンサー探し
CakeFest の開催が無事東京に決まり、準備プロジェクトの Slack チャンネルにも招待されて本格的に活動が始まりました。このチャンネルで議論されたことの中の一つに、CakeFest は国際イベントながら非営利のため、例年のチケット代は$400ぐらいだけど日本人からすると高い?って話でした。国際イベントだと安いってのは私の感覚なんですが、日本国内のイベントと比べると高く感じるだろうな〜って思ったのと、コミッターのちんぺいさんの「学生が参加しやすい金額にしたい」ってのに共感し、なんとかチケット代を下げる方法を模索することになりました。よくよく聞くと、チケット代の大半が会場費とランチ代だってことだったので、会場をタダで貸してくれる企業を探すことになりました。
人生で初めてのスポンサー探しですが、この時にクライアントの小川さん(ビューボやナカオさんを運営)が協力してくれることになりました。この手のことはさっぱりだったのでマジ感謝。英語版の資料を作って本家コミュニティに確認を取り、その後翻訳して数人の日本人のレビューを経て資料が完成しました。その後、この資料を企業に送ってもらって断られてを繰り返し、スポンサーを探し続けておりました。皆様にお勧めしたいのは、この手のことをやる時は一人でやらないということです。断られることの方が当たり前なので心が折れやすく、一人でやり切るには相当の精神力が必要です。
弊社のロゴを作成してくれた中島さんの縁からスマートニュース社が協力してくれるとのこと、また、準備を手伝ってくれていた典子さんが転職して、就職先の DMM 社が協力してくれることになりました。両社とも php とは縁遠く、スマートニュース社は java 、DMM 社はどこかの部署では多分 php を使っているかもとのことでした。フレームワークどころか言語にすら縛られない感じはオープンソースの楽しいところです。本当に両社には助けてもらいました。そして気になるチケットのお値段はなんと $23!ミーガンにタイプミスを指摘したんですが、本当に $23 で驚きました。
ちなみにですが、さりげに日本の企業が協力してくれたことにホッとしております。なにかと IT の理解が叫ばれる昨今、ウインブルドン現象みたいにならなくて良かったです。なお、この時作成した英語版と日本語版の資料を公開します。誰かの役に立てば幸いです。
前夜祭
過去に何回か参加してきて、現地ならではの遊びや交流をしたいってのが常に感じたことだったので前夜祭を企画しました。観光客が行きやすいようなお店を避けて、日本のワリカン文化や英語メニューのないお店を体験してもらおうと思ったんですが、人数がいまいち定まらない中で席だけ予約を許してくれるお店がなく苦労しました。ある程度の規模のお店に連絡すると飲み放題やコースを選んでくださいとシステマチックに対応されるところが多く、そんな危機を救ってくれたのが串カツ田中です。また偶然にもチンチロがあったりとだいぶ楽しい時間を過ごしました。ちなみに開催 1 週間前の参加申請は 10 人くらいだったのに、週明けには一気に 20 人以上に膨れた瞬間は久々に焦りました。最終的に 35 人だったかな、都度付き合ってくれた串カツ田中渋谷百軒店店には感謝です。
最後にワリカンをして、お釣りはいつも通り CakePHP Software Foundation に寄付をしました。コアコミッターたちからもきちんとお金を集めてその一部が Foundation に寄付されるというマッチポンプみたいなことを一度やってみたかったので感無量です。実はこのあたりでだいぶやり切った感じになってしまいました。まだカンファレンス始まっていないのに。
終わりに
こんな感じで今年のカンファレンスは、まさかの開催されるまでが本番というちょっと変わった時間を過ごしました。あれから約 2 ヶ月が経ち、ちょっと気持ちが落ち着いてきた今に、改めて違った形のカンファレンス情報になります。あの時の感動を再びになったでしょうか。
そしてついに CakePHP 4 がリリースされました!ということで翻訳会の再開とミートアップイベントの早期開催ですね。近々またアナウンスします、と締めたいんですが、実は皆様お願いがあります。いつも協力してくれていた石黒さんと色々協力をお願いしようと目論んでいた典子さんがダブルで転職してしまい、ミートアップイベント(Maxでも20人くらい、通常10人くらい)の会場と翻訳会(通常5人くらい)の会場をロストしてしまいました。いつもは平日の夜に渋谷界隈で開催しております。どなたか助けてくだされ〜。
助けてくれる方はお問い合わせフォームか Twitter までよろしくお願いします。
Enjoy and Happy NewYear!!